安倍晋三元首相 三笠霊園留魂碑再訪の記

 令和7年5月18日(日)、思い立って奈良に行く。目的は留魂碑に詣で、佐藤素心師発願の銅像建立の推進を期し、早や三年の月日に碑の現状を拝して、時の流れの変化を自身で確認するためである。

 近鉄奈良駅より道路を渡って二番のバス乗り場、約十分程『今在家』のバス停、小川の右側を山に向って進む。左に五却院、その先を左折して三百メートル右に霊苑の案内板あり。坂道を進む、『不動心』の碑が見える。祭壇には新しい花束二つ、少し古くなった一束が、「花と手紙のみ、他は持ち帰る」との注意あり。

 私は一時間この場所で現状を観察しようと思った。霊苑の上方に、東大寺勧進俊乗坊重源・石田三成家老嶋左近尉さんの墓所が有るので詣でた。新緑の空に雲が流れ、眼前に平城宮祉、奈良の都が一望、鶯の聲。

  三歳過ぎ万霊座ますこの苑に

       三昧法螺聲当入阿字門

人影のない高台より勤行の終りに持参していた法螺で葬送の譜を吹奏した。

 ゆっくりと広大な墓地を背にして元の碑に戻って、又もや勤行・法螺。ふと気が付けば男女お二人の方が後ろに埼玉県よりとか、銅像建立の趣意書とクラウドファンディングのチラシの封筒を手渡した。花と手紙は可、とあったので五部ほど花束の右側に置いた。帰り際には花束は四つになっていた。

 日曜であったが、昼過ぎの霊苑は静謐で、大和の国・日の本に生を受けた自分の存在と八十一歳の齢・我もすぐ弥陀の世界に入るぞ嬉しきか・・・・?と思いつつ非業の最期を遂げられた元総理の魂を安らかなりと願う素心師の心情を深く認識し、長野県での安倍神像神社の像の建立に協力してお役に立ちたいと思った。

 今日の奈良公園は外国人旅行者と鹿で賑わい、奈良国立博物館の『超国宝』展には巨大なる吉野金峯山寺の力士像他、得難い国宝の展覧で多数の名品を拝観して、さすがに疲れ感じた。悠久の歴史に向後残された人生に何ほどのお役に立てるか、現状の我国の政治状勢に、安倍元首相健在ならば・・・と思った。高僧や神像を拝し、安倍神社のご祭神は硫黄島の滑走路の下に眠る英霊に跪いて祈られた安倍氏の小像である。

   国の為重きつとめを果たし得で

        矢弾尽き果て散るぞ悲しき

栗林忠道中将の辞世を思いうかべ、我国の現状と行く末に一抹の不安を感じたのであったが、偶然今日竹田恒泰氏の「私の八十年談話」を拝読して、国家観の重要性と国家の進むべき方向性に大いに啓発させられたのであった。

          (令和7年5月26日記)

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このブログの著者

昭和19年(1944年)3月24日、大阪府枚方市生まれ。平成の御代、大峯山登拝修行に専念し、75歳で引退。令和元年(2019年)に自身の修験と法螺にまつわる手記をまとめた著書【平成の大峯山】を出版。現在は法螺貝と蘭と酒を愛す毎日。ただいま役行者石像の研究に没頭し、研究成果の出版本を準備中。

法螺貝研究所
〒564-0061 吹田市円山町5-3
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